出雲地方に伝承されている神楽は、一般に火を噴く大蛇が印象的な石見神楽のイメージが広く知られていますが、
旧国単位では「石見神楽」「出雲神楽」「隠岐神楽」の三つに分類されるとされています。
その中で赤塚神楽は、出雲地方を代表する神楽として伝えられてきました。
とりわけ「八岐大蛇」は地域を象徴する演目として現在も広く親しまれています。
この神楽は『古事記』『日本書紀』に記される神話、素戔嗚尊による八岐大蛇退治を題材としています。
平成15年には、出雲市無形民俗文化財に指定され現在も各地の祭礼において奉納が続けられています。
荒ぶる大蛇と神の対峙、そして平穏へと導かれる神話を描きます。
■八岐大蛇
高天原を追われた素戔嗚尊は出雲の斐伊川の上流にたどり着きます。
そこで、泣いている老夫婦⸻
足名椎・手名椎とその娘である櫛名田比売に出会います。
老夫婦の娘は、八岐大蛇によって毎年ひとりずつ奪われ、
ついに、櫛名田比売ひとりとなっていました。
大蛇は、八つの頭と尾を持ち、山や谷にまたがるほどの巨大な姿をしているといわれています。
素戔嗚尊は、櫛名田比売を妻とすることを約束し大蛇退治を引き受けます。
周到な準備のもと大蛇は討ち取られふたりは結ばれる⸻。
この神話をもとに、勇壮に舞われる神楽です。